| ●●● 3人で全行程をこなす ●●● 朝日新聞秋田県版2008年3月10日掲載 |
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食肉加工のゲゼレ(職人)である川井紀恵子さん(26)が働くのは「かわい農場」の工場兼店舗。35坪の平屋建てで、手前が店舗で奥が工場だ。 川井さんが3年間修業したドイツの会社は工場も広く、従業員は売り子を含めて約200人。「うちの店は精肉から加工、販売まで私を含めてたったの3人。超零細企業ですよ」と川井さんは笑う。それだけに、さまざまな仕事をこなさなければならない。 調味液に漬け込んだ豚肉を挽肉にする。製品に応じて数種類の香辛料を調合して、挽肉に加えて練る。修業した会社では、製造量が多いので香辛料はあらかじめ調合したものを購入していたという。しかし川井さんの小さな工場はその都度計って調合している。 修業先の会社にはゲゼレがたくさんおり、充填(じゅうてん)担当、ボイル担当など、専門職のように持ち場が決まっていた。「でも私たちレアリング(見習)は全ての工程を経験できるよう、時々持ち場が変わる。お陰ですべての工程を学ぶことができました」。 それにしても川井さんの忙しいこと。充填機で羊の腸に生地を詰めながら、タイマーが鳴るとボイル途中のソーセージを確認する。1種類の充填が終わると充填機の中をしっかり洗って次の充填に備える。他の2人が精肉や発送の仕事にとりかかると、川井さんただ1人になる。 川井さんがドイツに渡ったのは03年の4月。最初の3カ月は語学学校で勉強。その後は修業先の社長のお母さん(当時84歳)の家に住んだ。毎朝4時に起きてアウトバーンを使って通勤。週1回は職業学校にも通わなければいけない。 「ゲゼレの資格を取得するには、3年間職業学校に通って卒業することも必要。授業はドイツ語、社会、宗教、数学。それに実技、実習などでした」 職業学校の1クラスは20人ほどで、15〜16歳の少年が中心。女性は川井さんだけだった。ドイツでも食肉加工のゲゼレを目指す女性は極めて少なく、珍しがられたという。最初の1年は言葉がよく理解できずに授業はチンプンカンプン。2年目からは同居していた社長のお母さんの語学指導のお陰で、どうにか理解できるようになった。 つづき |
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